2017年5月6日(土)晴れ
今日はクライミング講習に何度か参加していただいている
2名の方に参加していただいて
ハーケン、ボルトの打ち方、回収の仕方、各種カム類のセット方法などの講習です。
下記の装備は
昔、私がアメリカンエイドルート開拓で使用していたものの一部です。

まずはハーケンの打ち方から
ハーケン打ちは
リスに対して最適なサイズのハーケンを選ぶことから始まりますが
パッと見て一発で選ぶのはかなりの慣れが必要です。

リスの方向やサイズを判断して
一番ハーケンが効く場所と方向に打ち込みます。

高価なクロモリハーケンは
基本的にセカンドクライマーが回収していきます。

しっかりと効いたハーケンは
ただやみくもにたたけば抜けると言うものでもありません。

抜き方にもコツがあります。

最後はハーケンが抜けて落下しないように
回収用のヌンチャクを使用します。


ハーケンが根元まで入らない場合には
タイオフシュリンゲをセットします。

シュリンゲよりも強度のあるワイヤーを使用することもあります。

タイオフの時にインクノットにすれば
外れにくくなります。



タイオフシュリンゲ(赤)をした場合には
必ず落下防止用のシュリンゲ(緑)もセットします。
アブミでハーケンに乗り込む場合には
必ず強度のテスティングを実施します。

ハーケンの効くリスがまったく無く
極小リスしかない場合にはラープを打ち込みます。

これは体重を支えるだけの強度しかないので
抜けないように慎重にアブミに乗り込みます。

極小エッジしかない場合にはスカイフック!!
岩が固ければ意外と効きますよ。
でも精神的にはよくありません。(笑)
動かないようにガムテープを張る場合もあります。

3種類のフックが付いたタロン。

次にジャンピングを使用して
リングボルト用の穴を空けて行きます。
岩が柔らかければすんなりと穴が開きますが
固い岩なら1本の穴に1時間以上かかる場合もあります。

穴が空いたら
穴の中を清掃してボルトを打ち込みます。
ボルトの先は割れていてクサビが付いています。

このクサビが穴の中でボルトの先端の割れ目を広げるため
簡単には抜けなくなります。
しかし適正サイズの穴を空けなければ
クサビが効かずに簡単にボルトが抜けてしまう場合もあるので
穴あけは確実にやらなければなりません。


このボルトは穴の深さが足りないので
完全に入っていませんね。

続いて各種カムの使用方法です。

カムをセットするときには
余裕を持ったサイズを使用しないと
カムが食い込んで抜けなくなる場合もあります。
セットの方向、場所も確実に選択します。



色々なクラックに各種カムをセットしてもらって
ちゃんとセットできるまで練習しました。


午後からはトップロープクライミング講習です。





ビレーは交代でやっていただきました。
セットするときにわざと間違ったセットをしてみて
登る前のチェックで気づくかどうかなども。(笑)





最後は右スラブ横のクラックルートへ。


最初は苦戦していましたが
ムーブを指示すると
お二人とも無事に完登しました。


これで今日の講習は終了です。

高価なハーケンやカムをそろえるのはなかなかたいへんですが
少しずつ買い揃えていただければと思います。
いつかこれを使うルートへ行きましょう。(^^)
今日はお疲れ様でした。