今日はセルフレスキュー講習会3日コースの最終日で実践練習です。
丹沢の麓の山の中の地形を使って本格的に負傷者の搬出練習を行います。
2名は3日コース全てに参加している方、後の2名は体験で最終日のみ参加になります。
まずは沢にチロリアンブリッジを張って負傷者を対岸まで渡します。
立木の上部にエバンス結びでスタティックロープを固定。

対岸の着地する先の立木に1/3でロープを強く張り固定。

プーリーにガイドロープをセットして負傷者をぶら下げます。

ガイドロープでスピードコントロールしながら対岸に渡します。
スタティックロープを使っているのですがこれだけ弛みます。

今度は対岸からこちら側へ渡しますが最後が登りになるので1/3で引き上げます。


今度は沢の真ん中にいる負傷者にエレベーター式でロープを渡して引き上げて回収します。
ザックを重りにしガイドロープでコントロールしながら負傷者の所へロープを渡します。



そしてカラビナをハーネスにつけてもらいチロリアンの所まで引き上げ。

そして岸壁の上まで引き上げて回収。

次はザックを使って負傷者を背負い搬出。


約10mほどの堰堤の下まで移動。この堰堤の上まで引き上げます。
介助者と一緒に引き上げたり、ザイル担架+介助者を引き上げたりと方法はたくさんありますが、今日は時間の関係もあって負傷者1名だけの引き上げです。

堰堤のエッジに直接ロープがこすれると切断される恐れがあるので、ロープを保護するグレインテマーを使用。

堰堤の近くに立木がないので15mほど先の立木を使用。

1/3で引き上げます。

あっという間に堰堤の上まで上がってきました。

今度は堰堤の上から下まで引き下ろします。

確保者は半マストにしてバックアップをセット。

アンカーになる立木や岩などが全くない場合は3人が固まって人柱を作成。

ビレーデバイスをセットしロワーダウンの手順で引き下ろします。

次は急な登山道を上って稜線まで移動。


まず最初に負傷者を背負って約10mの崖の引き下ろし。



次は負傷者を背負っての懸垂下降。

シュリンゲを利用して加重を分散させます。

慣れない人ならマッシャでバックアップを取った方がいいですね。


立木へのガースヒッチでのアンカーの作り方。

駐車場に戻ってランチタイムと作戦会議。

今日は秋空が気持ちいいです。

ザック搬送の準備。

今度はT田さんをリーダーに指定して自分の判断でチームを動かしてもらいます。
まずは急斜面をピークまで登り、下降します。


リーダーはフィックスロープをセットしてそれを使う方法を選びました。

下降は引き下ろしを選択。


結局、登って下ろすまで1時間半もかかってしまいました。
リーダーになった場合は、もっと現場の地形や状況をよく判断して短時間で安全にできる方法を考えていく必要があります。
先ほどのフィックスロープがかなり弛んでいたので、正しいフィックスロープの張り方を説明。
これぐらいキッチリと張らないと登るのが大変です。

次は小さいですが深い谷を対岸まで渡します。
ここでは安全で効率のいい方法を私が展示しました。

まずは谷底まで引き下ろし。

次に対岸で引き上げ。

ここは距離も短いので1/3はセットせずにそのまま引き上げます。

手早くやればここまで5分もかかりません。

そして短い急斜面を道路まで立木を使って引き下ろします。



立木にロープを回すだけなのでシュリンゲなどをセットする時間が短縮できます。

とにかくレスキューは短時間で搬出する必要がある場合もあるので、自分に身についている技術を現場の状況に合わせて安全確実に効率よく使用しなければ時間がいくらあっても足りません。
山を歩くときも頭の中でシュミレーションしていれば素早く行動ができるようになります。
今回の講習内容を参考にして自分なりの方法を考えていってください。
3日間の講習会お疲れ様でした。
セルフレスキュー講習会3日コースは依頼がありましたら実施いたしますので、ご希望の方がいらっしゃいましたらお問い合せください。


