2020年10月13日(火)晴れ

今日は3人にご参加いただいて【クライマー虎の穴】でクライミングセルフレスキュー講習会を開催します。

T田さんは実際にマルチピッチクライミングも仲間と登っている方で、セルフレスキューも簡単な技術は知っているそうです。

S本さんご夫妻は初めて覚える技術になります。

今日の講習会の内容は下記のとおりです。

1 トップが墜落した場合
 (1)テンションからの脱出
   ① ミュールノットでザイルを仮固定
   ② テンションからの脱出
 (2)墜落したトップをテラスまで収容する方法
   ① パートナーがテラスの上で中吊りの場合
   ② パートナーがテラスの下で中吊りの場合
2 セカンドが墜落して負傷した場合
 (1)下のテラスまで下す場合
   ① ジジ、ルベルソなどのビレーデバイスからの安全なテンションの抜き方
   ② テラスまでの下し方
 (2)テラスまで引き上げる場合
   ① 1/3引上げ
   ② 1/5引上げ
3 中吊りからの自己脱出
 (1)墜落して中吊りになった場合
 (2)懸垂下降からの登り返し
 (3)自己脱出でのバックアップの取り方
 (4)自己脱出からの懸垂下降
4 半マストの使用方法
 (1)確保方法
 (2)懸垂下降
 (3)ミュールノットでのザイルの仮固定



まずはトップが墜落したときのロープの仮固定から。

T田さんが知っている方法でやってもらいました。

かなり手間がかかり複雑です。

RIMG7328

次は私の講習会でのやり方。

簡潔明瞭で安全です。

RIMG7329

次はトップの加重をビレーポイントに移すテンションからの脱出。

RIMG7332

RIMG7333

加重をビレーポイントに移すと加重のかかる方向が変わるので支点は流動分散にしておかないと一本の支点だけに墜落したトップの加重がかかってしまいます。

なのでアルパインクライミングでのビレーポイントの作成では固定分散は不可です。

RIMG7335

RIMG7336

次はセカンドが墜落したときの引き上げ方法。

ロープは横に向いていますが実際には下方向です。

タイブロック、プーリーを使った1/3の引き上げ。

RIMG7337

マッシャ結びとカラビナでの1/3の引き上げ。

これは抵抗が大きいので引き上げには力が必要です。

RIMG7338

RIMG7339

1/5の引き上げ。

引く方向が反対になるのでテラスが狭い場合にはできません。

RIMG7340

墜落したセカンドをビレーデバイスのテンションを抜いて降ろす方法。

加重がかかりすぎてビレーデバイスが動かない場合は体重を利用して緩めます。

RIMG7341

セカンドが垂直の壁で落ちた場合や宙づりになっている場合は必ずマッシャでバックアップを取ってからビレーデバイスを緩めます。

アックアップが無ければ一気にロープが出て行きセカンドが墜落してしまう可能性があります。

RIMG7342

アルパインルートでよくありがちな貧弱なボルトやハーケンでのビレーポイントの作成。

RIMG7344

次は実際にクライミングボードで墜落したトップへの対処をします。

RIMG7346

まずはロープの仮固定。

RIMG7347

RIMG7348

テンションからの脱出。

マリナーノットを使って長さを調整した場合。

RIMG7349

環付カラビナヌンチャクで素早く固定した場合。

RIMG7350

マリナーノットを解いてビレーポイントにテンションを移します。

RIMG7351

RIMG7352

テンションを移す前にバックアップを取るのを忘れずに。

RIMG7354

通常はここまでで終了です。

次にテンションがかかっていないランニングビレーを外して回収しますが、これをやれるのは絶対に墜落しない自信と技術のあるトップクライマーだけです。

詳しいやり方は省略します。

RIMG7356

テンションがかかっているマッシャー結びを引いてトップを降ろしてきます。

RIMG7357

次にテンションがかかっていないロープに半マストをセットして引っ張ります。

RIMG7358

ビレーポイントから離れている場合や、オーバーハングで宙づりになってビレーポイントより下にトップがいる場合には1/3の引き上げをセットして引っ張ります。

RIMG7360

RIMG7363

ロープを出しながら引っ張ると宙づりのトップをビレーポイントに回収できます。

RIMG7364

これができるのは出て行っているロープが半分以下の場合。

半分以上出ている場合は更に複雑な技術を使えばトップを回収できますが、説明は省略します。

RIMG7366

次は懸垂下降での各種技術。

RIMG7367

懸垂下降中の仮固定。

RIMG7369

ミュールノットで。

RIMG7371

仮固定からの自己脱出。

RIMG7372

マッシャーノットのカラビナに加重を移動。

RIMG7373

RIMG7374

オーバーハンドでバックアップ。

RIMG7375

ビレーデバイスを解除。

RIMG7376

足用のマッシャノットを作ります。

RIMG7377

RIMG7378

RIMG7379

そして自己脱出で登っていきます。

RIMG7380

RIMG7381

RIMG7382

マッシャーノットを緩めての下降。

RIMG7383

自己脱出の途中から懸垂下降への移行。

まずはビレーデバイス&ミュールノットのセット。



RIMG7384

マッシャノットのカラビナを外します。

RIMG7385

ビレーデバイスに加重を移動。


RIMG7386

RIMG7387

自己脱出のマッシャノットを回収。

RIMG7388

マリナーノットの解除。

RIMG7389

RIMG7390

そして懸垂下降。

RIMG7391

S本ご夫妻には懸垂下降の仮固定と自己脱出を練習していただきました。

RIMG7392

RIMG7393

RIMG7394

RIMG7395

RIMG7396

RIMG7397

RIMG7398

RIMG7399

RIMG7405

RIMG7413

RIMG7414

RIMG7415

今日はかなり濃い内容の講習会でしたが、しっかりと復習をして身につけて欲しいです。

アルパインクライマーには必要な技術です。

興味のある方は是非、受講して技術を身につけて下さい。

今日はお疲れ様でした。

RIMG7421

バナー1

バナー3