(その1)より続く。。。
と言うことはコースの半分は俺が先攻している。
このまま急激に俺のタイムが落ちなければ最後まで逃げ切れるかもしれない。
しかし。。。
3時間半を過ぎた頃には疲労で意識がもうろうとしてきた。
あまり食べたくなかったが食べないとパワーが出ないのでクリームパンを無理やり口に押し込んだら吐き気がしてきた。(笑)
甘いスペシャルドリンクではなくて水が飲みたい。。。
何度ピットインして油谷さんのピットで休もうかと思ったことか。。。
この頃になると選手交代して走っている元気一杯のチームの選手にどんどん抜かれていく。
と言ってもソロとは順位は関係ないのだがやっぱり抜かれると悔しい。(笑)
3カ所ある登りが相当辛いが俺はバイクを降りることもなく淡々と登っていく。
4時間を過ぎる頃にはチーム選手も含めて2/3以上の選手が登りの途中からバイクを押して登っていた。
ソロの俺も辛いがチーム選手も辛そうだ。
途中で油谷さんが何度も足が攣ってしまって苦しそうにしていた。
俺は「油谷さんガンバ!!」と言って励ますことしかできない。
足が攣ってもがいている油谷さん
生き残りをかけたサバイバルゲームみたいだ。
なんで俺たちは1万円もの高いエントリー費を払ってまでこんな辛く苦しい思いをしてまで走っているんだろう??
これはもうレースと言うより修行と言った方がいいかもしれない。(笑)
本当に修行僧になった気分だ。(笑)
ふと気が付いたらチェックポイントのタイムカウンターが残り1時間を切っていた。
あと6~7周すればこの辛さから解放されるぞ~~!!
と思ったら少し元気が出てきた。
チーム選手も最後の追い込みをかけてスピードが上がってきている。
しかし、、、
ソロの俺たちはどんどんと疲労が蓄積されて廃人になりかけている。(笑)
メインストレートで油谷さんを追い越す。。。
今田さんが娘さんと応援をしてくれているのでなんとかパワーを維持して走ることが出来ているだけの状態。
辛いときの仲間の応援は本当にありがたい。
何周かしてタイムカウンターを見たら残りあと12分だ!!
あともう少し、
もう少し!!
チェックポイントで計測していた役員の見知らぬ若い人たちが今田さんと一緒になって
「アリさん頑張れ~!!」
と応援してくれている。
本当に応援はありがたいしパワーがでる。
ここから残りの周回は最後の力を振り絞って全力走行だ!!
途中で油谷さんがボロボロになって虫の息で走っていた。
「油谷さん、あと1周ガンバ!!」
と声をかけて追い越していく。
歯を食いしばって頑張る油谷さん!!
チェックポイントを通過して残り時間は4分。
さぁ最後の1周!!
長く辛かったレースもこれで終わりだ。
小田島さんが追いついてくる気配はないが力の限りスピードアップ!!
追い上げ中の小田島さん。。。
最後のダウンヒルを過ぎてゴールが見えてきた。
あと20m、10m、5m、3m、1m~~。
ゴー~~ル!!
やった~終わった~!!
もう走らなくてもいいんだ~~。
やっとゴール!!
今田さんと娘のライカちゃん、油谷さんの奥さんがゴールで迎えてくれた。
応援ありがとう~~!!
もうこれ以上動けない。。。
ゴールして最初の俺の言葉が。。。
「王滝より辛かった~!!」
去年の王滝は年代別2位、総合13位でタイムは5時間40分ぐらいで走りきったがこんなにボロ雑巾にようにボロボロにはならなかった。(笑)
しばらくして小田島さんがゴール。
お疲れ様~!!
小田島さんも一言。
「王滝より辛かった~!!」
結局、俺とは3分差ぐらいだったみたいだ。
俺はとても立っていられないので倒れたバイクに座って油谷さんのゴールを待っていたが。。。
あまりに辛いのでピットまで移動。
なぜか咳が止まらず15分ぐらいはうつむいて喘息の発作が起きた時のようにずっと咳き込んでいた。
椅子に座っているのも辛いので地面に倒れ込んでしまう。
もう順位なんてどうでもいい。。。
これだけ追い込めただけで満足だ。
しばらくして油谷さんもゴール!!
油谷さんも死にそうな顔でゴール!!
堅い握手を交わす。
本当にお疲れ様でした~~。
疲れ切った腕で握手!!
咳もやっと収まったのでリザルトを見に行くと、まだ3時間までの途中経過しか張り出されていなかった。
3時間経過した時で俺はトップと4分差ぐらいで2位になっていた。
記憶ではその後にソロの選手には抜かれていないので2位でゴール出来ているかもしれない。
しばらくしてリザルトが出た。
お~!!
やっぱり2位になっていた。
スタート前のあの足の状況では完走できればいいと思っていたが、まさか2位になれるとは全く考えてもいなかったので自分でもビックリ!!
3時間を過ぎた頃からはもう気力だけでゴールを目指して淡々と走っていた。
よくこれだけ走れたものだ。(笑)
油谷さんは9位!!
油谷さんは今年の王滝は初参戦なので今回の経験は強い味方になるだろう。
小田島さんは3位!!
また一緒に表彰台に立つことができた。
アミノカップやMTBカップではいつも一緒に表彰台に立っている。(笑)
今回の5時間耐久は本当に王滝とは比べものにならないほど辛かった。
王滝はひたすら淡々と登って淡々と下っていけばいいが、、、
今回のレースはアップダウンの激しいクロスカントリーコースなので常にインターバルダッシュの連続だった。
おまけに1周が2kmほどの周回コースなので精神的にも参ってくる。
こんなに苦しくて辛いレースは初めてだった。
ここでの5時間耐久レースを体験したら王滝のコースなんてサイクリングコースに思えてくる。
(その3)へ続く。。。